タローの日記

そこはかとなく書きつくる

おにぎり美味しい

 先週の広島旅では、ホテルで3000円ほど課金して朝食を食べた。おせち料理みたいな感じて、箱の中にちょこっとずつ和の料理が並んでいて、作るのが大変そうだ、と率直に思った。正直に言って、何の料理家よくわからないものもあったけれど、熟練の和食職人が味を審査するときのように、神妙な面持ちですべての料理を平らげた。ついでに、神妙にご飯のお代わりをお願いし、海苔にまいて食べた。実のところ、ビュッフェ形式の朝食を勝手に想定していて、おせち形式には面食らってしまった。この時に備えて、前日の夜からあまりものを食べずに、お腹のコンディションを整えていたというのに。とはいえ、さすがに3杯目のご飯をお代わりするのは、熟練和食職人としての体面的にあれだったので、僕はなくなく腹6分目で朝食会場を後にした。
 ホテルを出た後、なんとなく山に向かった。本当は、「この世界の片隅に」でも登場した、灰ヶ峰に行きたかったのだけど、方向的に回り道になってしまうので、泣く泣く断念し、「白滝山」にむかった。
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 車で向かったのだけど、もしかしてちょっとくらいは自力で登るゾーンがあるかもな、とおもい、途中のセブンイレブンで、鮭おにぎりと無糖紅茶レモンを買った。どうでもいいけど、無糖紅茶レモンはマジでうまい。車で山を少し登ると、登山道入口との看板が見えてきた。目的地に設定していた、高台近くの駐車場までは、まだまだ距離があったけど、自分で登ったほうがおもしろそうだと思いなおし、そこで車を止め、登り始めた。登っていくと、途中で地元の老夫婦とおちあった。なんと、70歳(くらいだったと記憶)というお年で、元気に山を登っているとのことで、山パワーすげぇな、などと、IQ3程度の感想を覚えた。途中まで一緒に登った後、僕が途中で先に行き、結局1時間近くかけてなんとか山頂までたどり着いた。山道には、ちょっとしたロッククライミングが必要なところや、切り立った断崖もあって、僕が登った中では、間違いなく一番難易度が高い山だった。
 登り切った先には、絶景が広がっていた。目の前に広がっている瀬戸内海。海に点々とある島々。海から吹いてきている(ような感じがする)穏やかな風。すべてが素晴らしく、思わずヤッホーと叫びたくなるような絶景だった(人もいたので、叫ばなかったけど)。山頂にある岩に登った僕は、岩の上で、買ってきたコンビニおにぎりを開けた。遠くに見える瀬戸内海をじっと見ながら食べた鮭おにぎりは、いつもよりしっかりと鮭の味が感じられて、とてつもなく美味しかった。しばらく鮭おにぎりの味を噛みしめた後、ぐっと無糖紅茶レモンを口に流し込んだ。それは、3000円の朝食よりも美味しかった。

白滝山の山頂。最高の眺めだった。